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嚙みしめ・顎関節症にマウスピースは効果的?メリット・デメリットと正しい使い方

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マウスピースのススメ⁉

写真のマウスピースは私、院長吉田の私物です。
ひとつはホワイトニング用、黒色のマウスピースはトレーニング用です。

ホワイトニング用は歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅や仕事中に装着するホームホワイトニングがあります。ホーム用は正直なところ数回しか使用していません。面倒だったり、忘れたりで洗面所ではなく現在は机の引き出しに置いています。

トレーニング用はジムのトレーニング時に使用しています。現在ではラグビーをする機会が少ないのですが、ラガー達が集まって真剣にプレーする時には装着しています。

ここからが今日の本題、マウスピースのメリット・デメリットと適切な使用法についてご説明いたします。

はじめに:マウスピースは万能ではない

マウスピースは歯や顎関節を守る目的で用いられますが、使用目的やタイミングによってはデメリットもあります。とくに【噛みしめ防止】を目的とする場合、誤った使用が逆効果になる可能性があるため注意が必要です。

マウスピースの主なメリット

①運動時の使用(スポーツマウスガード)

筋力の安定・向上:正しい位置で噛みしめることで体幹が安定し、パフォーマンス向上が期待できます。私自身も筋トレ時に使用しております。瞬間的なパワーを出しながらも、安定につながる実感があります。

歯の損傷防止:コンタクトスポーツや重量挙げ等で外からの衝撃や強い噛み締め時に歯を守ることに役立ちます。

口腔内の組織保護:唇、頬、舌の保護に役立ちます。

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②顎関節症の緩和(特定のケースのみ)

関節への負担軽減:特定の設計のマウスピースは顎関節への負担を軽減できることがあります。関節円板の位置を整えて、噛み締める力を分散させます。

歯列の安定:歯の摩耗を防ぐことで、噛み合わせの悪化を抑制し、リテーナーを用いることで歯列の安定保持につながります。

就寝時のマウスピース使用のデメリット

① 噛みしめの増加

マウスピースが異物として認識され、無意識に強く噛みしめることで逆に顎関節に負担がかかります。とくに装着開始3週間は睡眠の質の低下が避けられず、入眠困難や中途覚醒が起きます。

研究では、就寝中にマウスピースを着けることで「咬筋(噛む筋肉)の活動が増加する」ケースが報告されており、噛み癖、就寝時の姿勢、耐性、違和感等によりマウスピースを装着することで、更に噛み締めが強くなることがあるようです。

口が開いた状態になることも多く、口呼吸になりがちに。口腔内の乾燥や上咽頭への負担が増え、乾燥により唾液が減少するので、口臭や細菌増加、歯周病や虫歯につながることもあります。

② 違和感・睡眠の質の低下

就寝中の異物感により、眠りが浅くなる人もおり、睡眠の質が低下すると、日中の疲労感や首や背中の痛み、肩こりの悪化につながります。

③ 依存による顎の機能低下

長期間使用すると「マウスピースなしでは噛み合わせが安定しない」と感じるようになり、咀嚼機能のバランスが崩れることもあります。

長期使用に伴い、マウスピースの奥に穴が開いたり、すり減ることがあり、それほど噛む力は強いのでマウスピースの定期チェックや作り直しが必要になります。

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適切なマウスピースの使い方

① スポーツ時や高負荷の作業時に使用する

体幹を安定させる目的での使用は有効で、歯科医や専門家の指導のもと、自分に合ったマウスピースを作ることが重要となってきます。

スポーツ用品店やネットで購入できる簡易なものではなく、歯型をとった上でのカスタムメイドのマウスピースの作成が必須です。矯正や就寝時のマウスピースと比べると厚みや大きさが増えます。

② 就寝時の使用は慎重に

必要な場合は、専門家が設計したカスタムマウスピースを使用し、可能であれば、マウスピースに頼る前に生活習慣を見直し、姿勢・ストレス管理・咀嚼バランス、睡眠等で自律神経のバランスを整えてリラックスを心がけましょう。

カスタムメイドで作成したものでも【異物】を口の中に入れるので睡眠の質の低下や違和感は避けられないため、とくに装着開始直後には日常生活へ影響を及ぼすことがあります。

マウスピースをすることで嚙みしめが強くなることも少なくないために、徐々に慣れる必要があるので歯科医と相談しながら【あえて装着を止める】選択肢もあります。

まとめ

マウスピースのメリット・デメリットを理解し、適切な場面で使用することが重要です。

  • マウスピースを装着することで、逆に症状が悪化することがある。
  • 特に就寝時の使用は慎重に検討し、まずは噛みしめの根本原因を改善することが望ましい。
  • 顎関節や噛み締めに対するアプローチだが、睡眠の質の低下、筋肉の緊張や疲労、口呼吸による乾燥につながることも少なくない。
  • 歯科医師や技工士による定期的なメンテナンスも必須になる。
  • 顎関節症や噛みしめでお悩みの方は、専門家と相談しながら対策を行うのがおすすめ。

参考

Journal of Clinical Sleep Medicine (2021)
Sleep Medicine Reviews (2020)
European Journal of Orthodontics (2019)


院長:吉田

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