過敏性腸症候群

過敏性腸症候群の症例報告

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群（IBS）は、大腸に明確な異常がないにもかかわらず、腹痛や下痢、便秘が繰り返される消化器の障害です。主に腸と脳の間のコミュニケーションが乱れることによって引き起こされるとされています。

症状は個人差が大きく、ストレスや食生活、不規則な生活習慣によって悪化することがあります。また症状が慢性化することで、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。

厚生労働省のデータによると、日本の人口の約10〜15%が過敏性腸症候群を経験していると推定されています。

なかでも働き盛りの年代に多く見られ、男性よりも女性にやや多い傾向があります。病院を受診せずに悩み続けている人も多く、正しい理解と適切な対処が求められています。

過敏性腸症候群を放置するとことで症状が悪化し、日常生活や仕事への影響が深刻化することが考えられます。精神的ストレスが増大し、不安やうつ症状を併発することから外出や社会活動を控えるようになります。

また症状が長引くことで消化器系の他の疾患を見逃すリスクが増し、不適切な食事制限により、栄養バランスが崩れることも少なくありません。早期に適切な対策を取ることで、症状の改善の第一歩となります。

過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群の原因は一つではなく、さまざまな要因が絡み合っています。

生理的要因

腸内細菌のバランスが崩れることにより腸内環境が乱れることで消化吸収機能が低下します。腸が過剰に動いたり、動きが鈍くなる腸の運動異常により便意が一定にならずに不規則になります。

自律神経の乱れによる腸の蠕動運動低下が起きることで便が大腸に滞留せずに、水分を吸収しないことで下痢や軟便が頻発します。

心理的要因

仕事やプライベートのストレスや緊張が原因で自律神経に負担がかかります。性格や長年の不安感や心的トラウマにより腸内環境や消化器系に影響を及ぼします。

食生活

脂肪分の多い食品や加工食品の摂取により偏食で消化器に負担がかかります。個人差がありますが乳製品や小麦等の特定の食品に対する過敏症や不耐性を引き起こすことがあります。

環境的要因

不規則な生活リズムや睡眠・運動不足により消化器の機能低下を起こすことがあります。睡眠時は副交感神経が優位になり消化吸収の働きに不可欠なタイミングになります。また遺伝的要因により腸が過敏になることもあります。

過敏性腸症候群は単一の原因で発症するのではなく、複数の要因が絡み合い、自律神経の乱れを介して腸の機能異常を引き起こすことで症状が現れます。

ストレスや過緊張で良質な睡眠や定期的な運動、リラックスする時間が確保できないと、交感神経が過度に優位な状態が続きます。すると腸の運動が抑制されたり過剰になったりし、便秘や下痢を繰り返しやすくなります。

腸は【第二の脳】とも呼ばれるほど神経ネットワークが発達しており、ストレスや自律神経の影響を受けやすい臓器です。そのため、腸の不調は全身の健康にも影響を及ぼします。改善には、自律神経の調整、ストレス管理や生活習慣の見直し、適切な運動や食事など、多角的なケアが欠かせません。

病院とはここが違います

当院では自律神経の機能を確認し、脊椎を検査してサブラクセーションと呼ばれる神経機能不全箇所の施術を進めます。とくに交感神経と副交感神経の神経支配、またはその切り替わりの箇所を入念にチェックします。

薬物療法

消化管運動改善薬や抗コリン薬やを長期間使用すると副作用や依存性が生じる場合があります。特に抗コリン薬は下痢を抑える目的もあるので便秘になることがあります。また不安感を和らげる目的に抗うつ薬を処方されることもあります。

食事療法

腸で発酵しやすい糖質を減らす低FODMAP食を試すことが多いです。食物繊維の適切な摂取も必要で、メニューの考案や食材選びに制限がかかり、栄養バランスの偏りや食事制限によるストレスになることがあります。

心理療法

認知行動療法は自分と向き合うことが必須なために個人差があり、効果が現れるまで時間がかかる場合があります。

運動療法や生活習慣の改善

適度な運動、良質な睡眠等の生活習慣の改善が必須になります。規則正しい生活リズムの確立に時間がかかるので即効性に欠け、継続が難しい場合があります。

過敏性腸症候群を改善するために

まずは自律神経が機能しているか把握するために身体全体を把握することで、その原因を明らかにします。過敏性腸症候群の症状改善には、身体と心のバランスを整えることが重要です。

現状を正しく把握することが症状改善のためには大切であり、原因を取り違えたまま治療を進めてしまえば改善は見込めないからです。そして過敏性腸症候群の改善には、心身と生活習慣のバランスを整えることが重要です。

当院では症状を多角的に分析し、原因を見つけ出します。

そして、当院における過敏性腸症候群の過去の改善事例と照らし合わせて、最短で改善するためのプランをご提案します。

当院の特徴

豊富な知識と経験を持つ米国認定カイロプラクターである院長が、初回から最後まで責任をもって担当しますのでご安心ください。

脊椎の神経機能の低下を調整することで自律神経系のバランスを保ち、ストレス反応の軽減を図ります。

副交感神経が優位になり、リラックスモードになることで腹部や骨盤周りの筋肉の緊張を緩和し、腸の動きが改善へとつながります。腹部への圧力を軽減するために呼吸法や姿勢アドバイスも行うことで消化吸収機能の回復へとつなげます。

施術を重ねていくなかで変化を見逃さない一貫性が治療効果を高め、それが当院の豊富な改善実績に繋がっています。

過敏性腸症候群のQ＆A

過敏性腸症候群は治りますか？

完全な治癒が難しい場合もありますが、適切なケアを受けることで症状を大幅に軽減し、快適な生活を取り戻すことが可能です。当院では仕事や通勤時にトイレの心配をしなくてもよくなった改善例があります。薬に頼らないアプローチになるため、薬を服用しない方や効果を感じられなかった方にもお試しいただけます。

食事以外で気をつけることはありますか？

ストレス管理や適度な運動、十分な睡眠が重要です。また、リラックスできる時間を意識的に作ることも効果的です。過緊張になると自律神経の働きが偏るために、まずは睡眠を確保してください。

過敏性腸症候群の人が避けるべき食品はありますか？

個人差がありますが、一般的に高FODMAP食品の小麦製品、乳製品、特定の野菜や果物などを控えることがアドバイスされることが多いです。特定の食品を避けることも必要ですが、バランス良く摂取することも大切です。無理して制限するよりも、楽しんで続けられる食生活を取り入れましょう。刺激の強い香辛料、高脂肪食、コーヒー、アルコールは避けましょう。

過敏性腸症候群にお勧めの食事はありますか？

水溶性食物繊維が含まれているものです。全粒穀物等に含まれる不溶性食物繊維は少しずつ摂取しましょう。ヨーグルト、納豆、魚、豆腐で脂肪分が少なく腸内環境を整えます。ドリンクやサプリのプロバイオティクスも効果的な場合もあります。

過敏性腸症候群の症状は年齢や時期によって変わりますか？

症状の現れ方は年齢によって変化する可能性があります。年代によっては男性が多いケースや女性の方が割合が高いこともあります。女性は月経の周期やホルモンバランスとも関連することがあると考えられています。

過敏性腸症候群と大腸がんのように深刻な病気ですか？

過敏性腸症候群は機能性疾患であり、大腸に器質的な異常はありません。つまり腫瘍や明確な異常が見られない一方、大腸がんは腫瘍性疾患です。症状が似ている場合があるため、50歳以上の方や、血便、体重減少、発熱などの症状がある場合は、医療機関での大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

ストレス管理が過敏性腸症候群の改善に役立ちますか？

はい、ストレス管理は過敏性腸症候群の症状改善に非常に重要です。健康のバロメーターは便です。ストレスは腸の動きや感覚に直接影響を与えるため、リラクセーション技法の習得や規則正しい生活習慣の確立が症状の軽減に役立ちます。

どのようにリラックスをすれば良いですか？

いくつかあります。自律神経の副交感神経が優位を促す必要があります。昼食後は数分でも良いので目を閉じたり休息を取る、散歩や自転車の有酸素運動、長く息を吐く深呼吸を行う、笑う、就寝90分前に入浴やストレッチを行う。寝る1時間前にはスマホやパソコン等で強い光を浴びたり作業をしない。

通勤時や仕事中にトイレに行きたくて不安です。

私も似た経験があります。実際にトイレに駆け込んで便が出ることもありますが、便は出ずにトイレに行きたい気持ちだけで何も出ないことも多くありませんか？停車駅の少ない急行や特急であると、「次の駅まで降りられない」「我慢しないと」という意識で交感神経が優位になり、不安感が増幅します。また過去にそのシチュエーションであったことを脳が記憶しています。深呼吸を繰り返す、短い区間だけ急行に乗る、満員ではない電車を選ぶ、時間帯を変えることでゆっくり挑戦していきましょう。

過敏性腸症候群の症状が改善すると、以下のような変化が期待できます。

当院のカイロプラクティックケアを通じて、過敏性腸症候群の症状改善と共に、より健康で充実した生活を送れるようサポートいたします。

過敏性腸症候群でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

会社でストレスがある時は1時間に2，3度トイレに駆け込んでいた