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「肩こりは日本人だけで欧米人には無い」って本当?
肩こりは日本人だけ⁉
先日、初回を受けられた方からご質問をいただきました。今回はトリビアのようなテーマなので肩の力を抜いてお読みください。
「外国の人は肩こりがなくて、日本人特有って聞いたのですが本当ですか?」時々いただくこの質問の答えは…
Yes & Noです。
①Yes 肩と呼ぶ場所が異なるから
まずは”肩”の定義ですが、肩は腕、肩甲骨、鎖骨が交わる箇所を指します。下記の図の矢印周辺を肩関節と呼びます。異なると表現しましたが、厳密には日本の肩こりは肩甲骨の上を指し示すために、諸外国との表現に違いが生じます。
ここで述べる“海外”の例ですが、アメリカでのカイロプラクティック大学、付属クリニックとオランダでの臨床経験の約10年の経験から欧米視点で述べています。
南米やアフリカ、オセアニアに関しては不明ですが、欧米の人が意味する肩は日本人の感覚で表すと腕(上腕)になります。
欧米の人が腕が凝るという表現になりますが、日本人でもボーリングや日常的に行わない動作の筋肉痛でもない限りは「腕痛」はありません。つまり肩と腕の表現の仕方の違いによるものです。
ただ地域や人によってはStiff shoulders、Neck pain、Upper back stiffness、Backacheのように日本人と同じ肩こりを意味することもあるので、「国や人による」ということになります。
②No 普通にこります
では日本人が意味する肩こりは欧米人は感じないのか?という質問であればNoになります。欧米人もに肩こりはあります。私が勤務していたオランダのアムステルダムのクリニックには毎日100人単位の多くの方が来院されていました。
男女共に平均身長が世界1位のオランダでは中学生でも185cm以上、2mクラスの方も珍しくありません。空港やショッピングモールの男性用トイレでは176cmの私もつま先立ちをするシチュエーションもありました。
話がそれましたが、同じ規格の飛行機、車の運転、デスクやパソコンではどうしても前傾や下を向く姿勢が多くなります。背が高い分だけ下を向く角度が増えたり、体重により下方向へかかる負荷が増えることもあります。
オランダ人のよくある症状は首、背中、肩(腕)、腰、膝であり日本人ともそこまで大差はありません。オランダではフィジオといった理学療法の地位や需要が高く、自分で動いて治そうという意識が強いです。
日本独自の特徴も⁉
日本人(アジア人)特有の骨格や筋肉量、生活スタイルに関係しているともされています。日本人は体重が軽い割に頭の重さの割合が多く、首から背中にかけて負担がかかります。
確かに日本人の姿勢の悪さは独特です。これは立腰教育、文化的背景、お辞儀、畳での生活、正座、生活スタイル等理由はさまざまです。
江戸時代や明治時代の絵や写真にもありますが、物を担いで「頭を垂れる」前傾が多かったとされています。座り姿勢でも浅く座って、骨盤を立てる姿勢は巻き肩を引き起こし、肩甲骨周辺の緊張につながります。
その状態で長時間に及ぶデスクワーク、勉強、スマホ使用で首から肩にかけて血流が低下することで肩こりを感じるようになります。
最後に
しかしながら世界的には若年層のストレートネックが増えてきており、スマホやタブレット、長時間のデスクワークが起因しているともされています。つまりどのように生活するかが重要になってきます。
「何もしていないのに肩こりがひどくて…」と表現される方は多いです。しかしながら姿勢か肩甲骨や首の可動域制限、この2つが主な原因です。
パソコンやスマホ操作時の姿勢を注意する、ストレッチや運動で首周辺の可動域を保つ。動きが少なければ整体やカイロプラクティックを利用する、といったように段階的に試されてはいかがでしょうか。