
院長:吉田お気軽にご相談ください!


「肩が前に出てきた気がする」。鏡を見てそう感じながら、忙しさでそのままにしている方は多いと思います。肩こりや首のだるさが続いていても、原因がはっきりしないまま、マッサージでしのぐ日が続く。よくいただくご相談です。
この記事では、巻き肩になる原因を5つに整理してお伝えします。あわせて、自宅でできるセルフチェックとセルフケアもご紹介します。読み終えたときに、明日から試せることが1つでも見つかれば嬉しく思います。




巻き肩でご相談にいらっしゃる方の多くが、「マッサージに通っているのに戻ってしまう」とおっしゃいます。原因は人によって違うので、同じ方法が全員に合うとは限りません。まずはご自身の原因を知るところから始めてみてください
巻き肩とは、肩が前方に出て、内側に巻き込まれた状態を指します。正面から見ると左右の肩が内に入り、横から見ると肩が耳より前にあります。
このとき肩甲骨は外側に開き、前に傾いています。上腕骨も内側にねじれた位置に落ち着きます。首や肩の筋肉は、その位置を支えるために働き続けることになります。
なお、巻き肩は病名ではありません。姿勢の状態を表す言葉として使われています。
猫背は背中全体が丸まり、背骨のカーブが変化した状態です。巻き肩は肩の位置が前にずれた状態を指します。指している場所が違います。
ただ、臨床では両方が同時にあるケースが多く見られます。背中が丸まれば肩は前に出やすく、その逆も起こります。どちらか一方だけを見るより、姿勢全体で捉えるほうが実際的です。
巻き肩は、1つの原因で起こるものではありません。生活習慣、筋肉の使い方、睡眠環境などが重なって生じます。
ここでは臨床でよく見られる5つを挙げます。思い当たるものがあれば、そこが手をつけやすい入り口になります。
最も多いのがこのパターンです。画面を見続けるうちに頭が前に出て、肩がつられて前方へ移動します。
成人の頭部は4〜6kgほどあります。頭が前に出るほど、首や肩の筋肉は姿勢を保つために働き続けることになります。1日8時間、週5日となれば、その積み重ねは小さくありません。
モニターが低い、椅子が高い、肘の置き場がない。環境の問題だけでも姿勢は変わります。作業環境の見直しは、後半のセルフケアでも取り上げます。
スマートフォンは、画面を下に向けて持つ姿勢になりがちです。首が前に傾き、肩も内側へ入りやすくなります。
通勤中、食事の合間、寝る前。1回は短くても、回数が多いことが特徴です。1日の合計時間を確認してみると、思ったより長いことに気づく方が多くいらっしゃいます。
前かがみの姿勢が習慣になると、大胸筋・小胸筋(胸の前側にある筋肉)が縮んだまま硬くなります。反対に、菱形筋や僧帽筋の中部(肩甲骨を背骨側へ寄せる筋肉)は使われる機会が減ります。
胸側が硬く、背中側が働きにくい。この差が、肩甲骨が外に開いた状態を定着させます。
「胸を張ろう」と意識してもすぐ戻るのは、この差が残っているためです。意識だけで一日中姿勢を保つのは難しく、身体の使い方そのものを変えていく必要があります。
横向きで眠ると、上半身の重みが下側の肩にかかります。身体は負担を逃がすために、肩を前へずらした位置を選びやすくなります。
枕が高すぎる場合も、首が前に曲がった状態が続きます。朝起きた時点で肩まわりに違和感がある方は、寝具を見直す価値があります。
緊張しているとき、人は肩に力が入り、身体を内側に縮める姿勢をとりがちです。この状態が続くと、筋肉の緊張が抜けにくくなります。
運動習慣がない場合も、肩甲骨まわりを動かす機会そのものが減ります。デスクワーク中心の生活では、意識して動かす時間をつくることが予防につながります。
肩まわりの筋肉が引き伸ばされた状態が続くと、張り感が残りやすくなります。マッサージで筋肉がゆるんでも、同じ姿勢に戻れば張りも戻ります。
楽になった状態を保つには、日中の過ごし方を変えることが欠かせません。この記事の後半でご紹介するセルフケアは、そのための土台になります。肩こりが長引いている方は、あわせてご覧ください。肩こり
首や肩の筋肉の緊張は、緊張型頭痛と関連すると報告されています。当院でも、首まわりの負担が減ると頭痛の訴えが軽くなる方がいらっしゃいます。
ただし、頭痛には多くの種類があり、姿勢だけで説明できるものではありません。痛み方がいつもと違う場合は、医療機関での確認をお願いしています。頭痛についてはこちらでも詳しくお伝えしています。
目の疲れについては、画面との距離や作業時間が大きく関係します。姿勢が変われば画面との距離も変わるため、間接的な関係はあると当院では考えています。
胸が前に縮んだ姿勢では、肋骨が広がりにくくなります。前かがみの姿勢で肺活量の数値がやや下がるという報告があります。
ただし、安静にしている限り、血液中の酸素が足りなくなるわけではありません。「息を深く吸いにくい」という感覚と、胸まわりの硬さが結びついているケースがある。この理解が実際に近いと考えています。
肩の位置が変われば、頭の位置や背骨の使い方も変わります。ストレートネックや背中の張りを併せて訴える方は多くいらっしゃいます。身体は全体でバランスをとるため、1か所の変化はほかの部位にも影響します。
ここで1つ、補足をさせてください。
姿勢と痛みの関係を調べた研究では、前かがみの角度と首の痛みは必ずしも一致しないと報告されています。巻き肩でも痛みのない方はいますし、姿勢がきれいでも肩がつらい方もいらっしゃいます。
では何が負担になるのか。同じ姿勢が長く続き、動きが減ることです。角度そのものより、動かない時間の長さのほうが身体にはこたえます。
だからこそ、正しい姿勢を一日中保ち続ける必要はありません。こまめに動かすほうが、続けやすく現実的です。私自身もデスクワーク時も1時間に1度は立ち上がり、こまめに肩のストレッチを行っています。
道具は必要ありません。鏡と1分あれば確認できます。
3つのうち2つ以上当てはまる方は、次のセルフケアから試してみてください。
以下の4つは、どれも自宅でできます。痛みが出る範囲までは行わないでください。実施中にしびれや強い痛みが出た場合は、中止してください。
4つの中で、最も優先度が高いと考えています。タイマーを30分に設定し、鳴ったら立ち上がる。それだけで構いません。
先ほどお伝えしたとおり、負担になるのは角度より動かない時間です。ストレッチを1日1回頑張るより、こまめに動くほうが変化を感じやすいです。
壁の角、またはドアの枠を使います。肘を肩の高さで90度に曲げ、前腕を壁につけます。そのまま身体を前へ移動させ、胸の前側が伸びる位置で止めます。
30秒キープを左右2セット。痛みが出るところまで伸ばす必要はありません。「気持ちよく伸びている」程度で十分です。
肘を90度に曲げ、脇を軽く締めます。肩甲骨を背骨側へ寄せるように、肘を後ろへ引きます。5秒キープして戻します。
肩がすくまないよう注意してください。肩を下げたまま、肩甲骨だけを動かす意識で行います。
モニターの上端を目の高さに合わせます。ノートパソコンの場合は台に載せ、キーボードを別に用意すると姿勢が安定します。
椅子は、足裏が床につき、肘が90度になる高さが目安です。環境が整えば、意識しなくても姿勢を保ちやすくなります。
初期は、肩の重さや違和感が中心です。時間が経つと、肩を動かせる範囲が狭くなる方がいらっしゃいます。
腕を後ろに回しにくい、高い場所に手が届きにくい。こうした変化が出ると、着替えや洗濯といった日常の動作に影響します。軽いうちに手をつけるほうが、結果的に負担は少なくて済みます。
巻き肩といっても、原因の組み合わせは人それぞれです。デスク環境が主な方もいれば、胸の筋肉の硬さが中心の方もいます。首や肩甲骨の動きの制限が関係している方もいらっしゃいます。
原因が違えば、優先すべき対処も変わります。胸の硬さが中心ならストレッチが有効です。肩甲骨や背骨の動きが硬ければ、そこへのアプローチが必要になります。
当院では初回に5つの評価を組み合わせ、姿勢分析ソフトによる数値の確認、肩甲骨・肩関節・首の動く範囲のチェックを行います。その結果をもとに、世界基準のカイロプラクティックの手技で施術を行っています。
セルフケアを1か月続けても変化がない場合、原因の見立てが合っていない可能性があります。一人で抱え込まず、一度ご相談ください。
しびれや強い痛みがある場合は、整形外科です。検査で異常がなく、姿勢や筋肉の状態が気になる場合に、カイロプラクティックや整体、運動療法が選択肢になります。
個人差があります。当院では、セルフケアを続けた方が数週間ほどで動かしやすさの変化を感じるケースが多いです。ただし、期間をお約束できるものではありません。
胸の硬さが主な原因であれば、ストレッチで変化を感じる方はいらっしゃいます。ただ、原因が複数ある場合は、それだけでは足りないことがあります。
意識だけで一日中保つのは、現実的ではありません。デスク環境を整え、こまめに動かすほうが続きやすいと考えています。そしてこまめに動くこと、歩いたり肩や腕のストレッチを行い、伸びをすることもお勧めです。


吉田泰豪D.C.
ヨシダカイロプラクティック恵比寿整体院 院長
Palmer College of Chiropractic 卒業/オランダ政府登録カイロプラクター/C.C.E.P.(四肢認定)保有