
院長:吉田お気軽にご相談ください!
ゴルフ肘の原因をカイロプラクターが解説します。スイング動作の負担、肘の内側と手首のつながり、痛みの段階に合わせたセルフケアまで。
こんにちは。ヨシダカイロプラクティック恵比寿整体院の吉田です。
スイングのあと、肘の内側がズキッとする。最初は違和感だったのに、練習を重ねるうちにペットボトルのフタまで開けにくくなった。そんなご相談を毎週のようにいただきます。
ゴルフ肘は、フォームが崩れている方だけがなるものではありません。丁寧に振っていても、球数と休息のバランスが崩れれば負荷がかかって起こります。
この記事では、スイングが肘に何をしているのかを整理します。そのうえで、当院が肘だけでなく手首まで確認する理由と、ご自宅でできる運動をお伝えします。




肘の痛みで来られる方の多くが、肘だけを気にされています。ただ、痛みの出どころが前腕や手首にあるケースは少なくありません。まずは全体像から
ゴルフ肘とは、肘の内側にある骨の出っ張り(内側上顆)に付着する腱が傷み、痛みが出る状態です。正式には上腕骨内側上顆炎と呼ばれます。難しいので名前は覚えなくて良いですが、肘の内側と腕(前腕)のあたりに症状がでます。
この出っ張りには、手首を手のひら側に曲げる筋肉と、前腕を内側にひねる筋肉が集まって付いています。スイングでこれらが繰り返し働くと、付着部に負担が集中します。
痛むのは肘の内側です。ペットボトルのフタを開ける、タオルを絞る、ドアノブを回す。この3つで痛みが出るなら、ゴルフ肘の可能性があります。
名前に「炎」がつくため、炎症が起きていると思われがちです。ただ、実際に組織を調べた研究では、炎症細胞は少なく、腱の質そのものが変化していると報告されています。国際的には腱症(tendinopathy)と呼ぶ流れになっています。
言葉の違いだけの話ではありません。対処が変わります。
痛みの強い時期を過ぎたら、休ませ続けるより、弱い負荷から少しずつかけ直すほうが回復につながると報告されています。腱は、安静だけでは強くなりません。この記事の後半でご紹介する運動も、この考え方に沿っています。


スイングは、下半身の回転から始まり、体幹、肩、腕へと力が伝わる連鎖動作です。この経路のどこかが滞ると、そのぶんを別の場所が引き受けます。肘は、その代償を受けやすい位置にあります。
年齢の影響もあります。腱は加齢とともに硬さが増し、細かな損傷が残りやすくなります。40代以降のゴルファーに多いのは、この変化が関係していると考えられています。
腕だけで振る「手打ち」は、肘への負担を増やす代表的なパターンです。下半身と体幹が生み出すはずの力を、前腕の小さな筋肉が肩代わりすることになります。
とくにインパクトで手首をこねる動きが入ると、肘の内側にねじれの力が加わります。1回の負荷は小さくても、1日200球なら200回です。しかもラウンドする場合は練習場より、力んでしまう、ダフってしまう場合は衝撃が強まります。
握る力が強いほど、前腕の筋肉は緊張し続けます。その緊張は、肘の付着部にそのまま伝わります。
よく「小鳥を包み込むような力加減で」と言われます。実際に試していただくと、想像よりずっと弱くて驚かれる方が多いです。
グリップの太さも関係します。細すぎるとクラブが動かないよう余計に握りますし、太すぎると握力を使い切ります。1年以上交換していない方は、まず交換をお試しください。
フォロースルーで左肘が曲がってしまう動きは、チキンウィングと呼ばれます。肘関節に不自然な方向の力がかかります。
無理に伸ばす必要はありません。身体の回転に腕がついてくれば、肘は自然に伸びます。腕だけを伸ばそうとすると、かえって力みが増えます。
フォームより先に見直したいのが、球数と間隔です。
腱の回復には時間がかかります。連日打ち続けると、修復が追いつかないまま次の負荷が加わります。打った当日ではなく2〜3日後に痛みが出るのは、これが理由です。
久しぶりに再開された方、始めたばかりの方はとくにご注意ください。身体がまだ動きに慣れていない段階で、いきなり数百球は負担が大きすぎます。
内側上顆に付いているのは、屈筋、円回内筋など、手首を曲げる筋肉と前腕を内側にひねる筋肉です。肘そのものを動かす筋肉ではありません。
肘の内側の痛みは、手首と前腕の使われ方の結果として出ていることがあります。
手首を反らす動き(背屈)が硬い方、前腕を外側にひねる動き(回外)が出にくい方は、その不足を付着部が引き受けます。ここが変わらないまま肘だけをゆるめても、練習を再開すれば戻ります。
握力が抜けない方も同じです。「力を抜いてください」と言われて抜けるなら、とっくに抜けています。抜けないのは、手首の動きが足りず、握ることで安定をつくっているケースがあるためです。
当院では、手関節の可動域、前腕の回内・回外、肘の外反ストレスまで一連で確認します。手首の痛みでお悩みの方も、同じ視点で対応しています。


手首を繰り返し使う動作であれば、競技を問わず同じ状態が起こります。
テニスのフォアハンド、野球の投球、バドミントンのスマッシュ。スポーツ以外でも、フライパンを振る、ハンマーを打つ、マウスを長時間使う。どれも同じ筋肉を使います。
「ゴルフはしないのに、なぜゴルフ肘なのか」とよく聞かれます。名前がゴルフというだけで、原因は手首と前腕の使いすぎです。なお、肘の外側が痛む場合はテニス肘と呼ばれ、傷む筋肉が異なります。
初期はスイング時だけです。次に、フタを開ける、絞る、回すといった動作で痛むようになります。さらに進むと、安静時にも痛み、夜間に目が覚める方もいらっしゃいます。
ただ、過度に怖がる必要はありません。多くのケースは、手術に至らず保存的な対応で経過します。ここは正直にお伝えしておきます。
問題になるのは、痛みを我慢したまま同じ球数を打ち続けることです。回復の時間が取れないまま負荷が続くと、それだけ期間が長引きます。
整形外科では、まずレントゲンで骨に問題がないかを確認します。必要に応じて超音波やMRIを使うこともあります。主な対応は次のとおりです。
痛みを抑えることと、負担がかかった原因を見直すことは、どちらも必要です。痛みが引いたあとに同じ球数、同じ握り方へ戻れば、再び同じ経過をたどります。当院にも、医療機関での対応と並行してお越しになる方が多くいらっしゃいます。
次に当てはまる場合は、セルフケアより先に整形外科での確認をお勧めします。
カイロプラクティックは、すべての肘の痛みに対応できるものではありません。判断に迷う場合はご相談いただければ、受診先をご案内します。
腱を強くするには負荷が必要です。ただし、痛みの強い時期に同じことをすると悪化します。段階を分けて考えてください。
目安として、運動中の痛みが10段階で3以下なら続けて構いません。5を超える場合は、負荷を下げてください。
関節を動かさず、力だけ入れる運動です。等尺性収縮と呼ばれ、痛みを和らげる効果が報告されています。
手のひらを上に向け、手首を軽く曲げます。反対の手で手の甲を押さえ、押し返すように力を入れます。30〜45秒キープを5回、1日1〜2セットが目安です。
手首は動かしません。力加減は、痛みが軽く出る程度で止めます。
痛みが落ち着いたら、筋肉が伸びながら力を出す動き(遠心性収縮)を加えます。腱の回復に有効とされる運動です。
500mlのペットボトルを持ちます。手のひらを上に向け、手首を曲げた位置から3〜4秒かけてゆっくり下ろします。上げるときは反対の手で補助します。10回×3セット、週3回程度から始めてください。
翌日に軽い張りが残る程度なら問題ありません。痛みが増えるようなら、重さを減らします。丁寧に動かし、手首と肘の間の筋肉の曲げ伸ばしを意識することが大切です。
練習前は、肩甲骨まわり、前腕、手首を動かしてから始めます。いきなりフルスイングせず、短いクラブの小さな振りから入ってください。
練習後に痛みが出た場合、冷却は一時的な対処として使えます。ただ、冷やせば治るというものではありません。翌日の球数を調整するほうが確実です。
シャフトが硬すぎる、クラブが重すぎる場合、インパクトの衝撃が大きくなります。フィッティングで合わせたことで負担が変わったという方はいらっしゃいます。
グリップは消耗品です。すり減ると、滑りを補うために握力が上がります。
| 場面 | 意識したいこと |
|---|---|
| 練習前 | 15分ほどかけて肩甲骨・前腕・手首を動かす |
| スイング時 | グリップ圧を落とす。身体の回転で振る |
| 練習後 | 球数を記録する。痛みが出た日は翌日を軽く |
| 日常生活 | 重い物は両手で。マウス作業は合間に手首を動かす |
スイングは、足元から股関節、背骨、肩甲骨、肘、手首へと力が伝わる連鎖動作です。どこか一か所の動きが硬いと、そのぶんを別の場所が代償します。
胸椎の回旋(背中のひねり)が出にくい方は、肩の回旋量が減ります。足りない分を腕でつじつま合わせすると、負担は肘と手首に寄ります。
肘だけをゆるめて楽になっても、代償の出どころが変わらなければ戻ります。手首と首や背中まで含めて確認するのは、そのためです。
1つでも当てはまる方は、一度状態を整理してみることをお勧めします。ご相談だけでも構いません。
整形外科です。しびれや腫れがある場合はとくに、先に受診してください。骨や神経に問題がないと確認できたあとに、運動療法やカイロプラクティックが選択肢になります。
負荷を減らすことで軽快する方はいらっしゃいます。ただし、同じ球数と握り方に戻ると再発しやすい傾向があります。腱は休むだけでは強くならないため、段階的な運動を組み合わせるほうが確実だと報告されています。
完全に休む必要があるのは、痛みが強い時期だけです。その後は、痛みが10段階で3以下に収まる範囲まで球数を落として続けるほうが、腱への刺激を保てます。ゼロか100かの判断ではなく、量の調整とお考えください。
内側上顆に付く筋肉は、手首を曲げる筋肉と前腕をひねる筋肉です。マウス操作、調理、工具の使用でも同じ負担がかかります。ゴルフ特有の症状ではありません。


吉田泰豪D.C.
ヨシダカイロプラクティック恵比寿整体院 院長
Palmer College of Chiropractic 卒業/オランダ政府登録カイロプラクター/C.C.E.P.(四肢認定)保有
東京都渋谷区恵比寿南1-9-2 AIビル301