
院長:吉田お気軽にご相談ください!

院長:吉田お気軽にご相談ください!
食いしばりと首・肩のつながりを、カイロプラクターが解説します。顎から首、肩までがどう連動しているのか、研究でわかっていること、ご自身で確かめる方法と数秒でできる労い方をまとめました。
こんにちは。ヨシダカイロプラクティック恵比寿整体院の吉田です。
仕事に集中して、ふと気づくと奥歯を噛みしめている。夕方には首と肩が張って、こめかみまで重い。朝起きた瞬間から、顎がだるい。
肩こりや頭痛で来院された方に顎のことを伺うと、こうした話がよく出てきます。反対に、顎の相談で来られた方の多くが、首や肩のつらさも抱えています。
今日お伝えしたいのは、ひとつです。私たちの身体は、思っている以上に頑張っています。数秒でいいので、その頑張りに気づいて労ってあげてほしいのです。




肩こりの相談で、顎の話が出てくることは少なくありません。顎と首と肩は、ひとつながりで頑張っています。
集中して仕事をしているとき、身体は少し戦闘モードに入ります。自律神経でいうと、交感神経が優位な状態です。
このとき多くの方は、少し前かがみになって頭が前に出ます。画面に顔が近づき、呼吸は浅くなります。そして気づかないうちに、上下の歯が当たっています。
何もしていないとき、上下の歯は唇を閉じていても離れています。そのすき間は1〜3mmほどです。食事や会話で歯が触れているのは、1日に20分ほどとされています。
それ以外の時間も歯を合わせている癖は、TCH(歯列接触癖)と呼ばれています。強く噛みしめていなくても、軽く触れ続けるだけで顎の筋肉は働き続けます。
奥歯で噛みしめる力は、50〜70kgほどに達するといわれています。食事のときは一瞬ですが、食いしばりではその力が何分、何時間と続きます。
顎の筋肉だけでなく、顎の関節や歯にも負担がかかります。マウスピースに穴が開くほど噛みしめている、という話もしばしば伺います。
ストレスと食いしばり・歯ぎしりの関連は、研究でも報告があります。ストレスを感じている人では約2倍という分析もあります(Chemeloら, 2020)。ただし研究の数が少なく、確実性は高くありません。
ストレスは、日常生活からなくせるものではありません。当院では、ストレスをなくすことより、緊張をうまく分散できるかが大切だと考えています。
当院では、食いしばりと首・肩のつながりを、筋肉と関節の連動として考えています。上から順に見ていきます。
こめかみに指を当てて、奥歯を軽く噛んでみてください。指の下で筋肉が盛り上がるのがわかります。これが側頭筋です。頬の奥、耳の少し前で動くのが咬筋です。
噛みしめている間、この2つは働き続けます。こめかみの重さや、夕方の頭の締めつけ感につながることもあります。
頭が前に出ると、首の前側の筋肉も引っ張られます。耳の後ろから鎖骨に向かう胸鎖乳突筋と、のどにある舌骨につく筋肉です。
舌骨につく筋肉は、口を開ける動きにも関わっています。首の前が張っているときに、口の開けにくさを感じる方もいらっしゃいます。
頭が前に出ると、頭は前に落ちようとします。それを後ろから支えるのが、後頭部の下の筋肉と、首の上の方の関節です。
頭蓋骨と、首の一番目・二番目の骨のあたりです。ここが緊張し続けると、首の上の方の動きが硬くなります。
前に落ちそうな頭を、首の下の方と背中の上の方も引き上げようとします。肩甲骨を引き上げる肩甲挙筋も、首の骨から肩甲骨につながる筋肉です。
首の付け根から、肩甲骨の内側の上あたりがつらい方は少なくありません。当院では、この引き上げの頑張りが続いているサインのひとつと考えています。
緊張が続くと、呼吸が浅くなります。浅い呼吸は、交感神経が優位な状態を長引かせます。そしてまた、奥歯に力が入ります。
当院ではこれを、ひとつのループとして捉えています。顎だけ、肩だけを見ても、ループのどこかが残っていれば戻りやすいと考えています。
顎関節症の方は、首の不調も抱えていることが多いと報告されています。首の動く範囲が狭いことや、首の上の方の動きが制限されていることも、中程度の根拠で確認されています(Cuenca-Martínezら, 2020)。
首への手技療法についても研究があります。顎関節症の方に首の手技療法を行うと、偽の施術などと比べて痛みが軽くなったと報告されています。根拠の強さは中程度です(La Toucheら, 2020)。
同じ分析では、首と顎の両方に施術したほうが、首だけより痛みなく口を開けやすくなったと報告されています。ただし短期間の結果で、根拠は弱めです。
一方で、「頭が前に出た姿勢の人ほど顎関節症になりやすい」とは言えません。姿勢の形そのものは、顎関節症の方とそうでない方で差がなかったという分析があります。
姿勢と顎関節症の関係は、まだはっきりしないとまとめたレビューもあります(Rochaら, 2013)。
そのため当院では、姿勢の形を正すことにはこだわりません。同じ姿勢を続けないことと、首や顎がどう動いているかを確かめることを大切にしています。
顎の相談で来られる方の開け方を拝見すると、口角や頬を横に広げて開けようとする方が多くいます。大きく開けようと頑張るほど、皮膚が横に伸びます。
皮膚は動いても、顎の関節がその分だけ広がるわけではありません。顎の関節は、耳の前で回りながら前に滑る動きで口を開けます。
もうひとつ多いのが、顔ごと上を向いて開ける開け方です。上顎は上へ、下顎は下へと、反対向きに同時に動きます。おにぎりやハンバーガーにかぶりつくときに、よく見られます。
負担をかけにくいのは、上顎と顔はそのままで、下顎だけを胸元へ下ろす開け方です。くわしくは食事のときに顎が痛い人へで紹介しています。
歯列矯正の終わりごろ、保定装置をつける段階で顎がつらくなったという方もいらっしゃいます。歯並びが変わる時期に、緊張や食いしばりが重なることもあると考えています。
朝起きた瞬間から顎や首が疲れている。家族に歯ぎしりを指摘された。こうした方は、寝ている間にも力が入っている可能性があります。
4つめで楽に感じる場合は、開け方を工夫することで負担を減らせる余地があると、当院では考えています。


当院では、口の中は見ません。次のような点を確認します。
左右の顎の関節は、同じように動くとは限りません。よく動く側が先に動き、動きにくい側をかばうことがあります。そうすると、顎が左右にぶれながら開きます。
当院の施術は、口が開く範囲の中で行います。無理に大きく開けることはしません。動きにくい側を、開けるときや閉じるときに小さく補助するイメージです。
首の上の方や背中の上の方の動きも、あわせて確かめます。顎・首・肩のループのどこが頑張りすぎているのかを、一緒に探していきます。
唇は閉じたまま、上下の歯だけを離します。気づいたら離す、を繰り返します。パソコンの端に「歯を離す」と書いた付箋を貼る方法もあります。
鼻から吸って、吸う時間の3倍ほどかけて口から吐きます。1分ほど続けてみてください。寝る前に、仰向けでやるのもおすすめです。
1時間に1回、首をゆっくり左右に倒します。肩をすくめてから、ストンと落とします。
スマホや書類を見る時間が続いたら、顔を指1〜2本分だけ上に向けます。真上まで向く必要はありません。向きすぎると、今度は首の下の方に負担がかかります。
あくびやかぶりつくときは、顔を少し下げて、下顎だけを胸元へ下ろします。上を向いて開ける動きは避けます。
食いしばりがちな方は、顎を閉じている時間が長くなります。痛くない範囲で、小さく「はむはむ」と開け閉めしてみてください。大きく動かす必要はありません。
うつ伏せは、顎に横から力がかかりやすい姿勢です。横向きで寝る場合は、枕の高さを合わせて、顎に頭の重さがかからないようにします。
湯船につかる、ひと駅歩くなど、緊張をゆるめる時間も役立つと考えています。
どれも、痛みが出たらやめてください。痛みがある状態で、無理に動かす必要はありません。
マウスピースで楽になる方もいます。一方で、つけることで噛みしめが強くなったと感じる方もいらっしゃいます。
気になる場合は、作った歯科医院で相談してください。詳しくはマウスピースの記事でまとめています。
ストレスをなくす必要はありません。歯が当たっていることに気づいて離す、息を長く吐く、といった小さな習慣から始められます。
姿勢の形だけで決まるとは言えません。研究でも、頭が前に出た姿勢そのものに差は見られていません。同じ姿勢を続けないことと、首や顎の動きを確かめることが大切だと考えています。
顎を動かしていないときの強い痛みや、口が閉じられないときは、歯科・口腔外科が先です。歯科の治療と並行して来られる方もいらっしゃいます。
寝ている間の歯ぎしりは、自分で止めることができません。寝る前の深呼吸や入浴で、緊張をゆるめてから眠ることはできます。家族に指摘された場合は、歯科にも相談してください。
食いしばっているのは、あなたが弱いからではありません。それだけ一生懸命に、仕事や日々に向き合っているのだと思います。
患者さんの身体に触れるたびに、顎も首も肩もよく頑張っているなと感じます。その頑張りに、ご本人が気づいていないことも多いです。
だからこそ、ときどき手を止めて、自分の身体と会話してみてください。歯を離して、息を長く吐いて、肩を落とす。数秒ずつの労いを、一日の中に少しずつ散らしてみてください。
顎関節症の考え方や初回の流れは、顎関節症のページでご紹介しています。食いしばりそのものについては、歯ぎしり・食いしばりのページもあわせてご覧ください。


吉田泰豪D.C.
ヨシダカイロプラクティック恵比寿整体院 院長
Palmer College of Chiropractic 卒業/オランダ政府登録カイロプラクター/C.C.E.P.(四肢認定)保有
東京都渋谷区恵比寿南1丁目9-2 AIビル301